安楽死で死にたい人へ 安楽死の知識 安楽死について 安楽死の方法 安楽死自殺で死ぬ方法 安楽死のやり方 安楽死の死に方

 安楽死関連の情報を知りたい人に、安楽死についての様々な情報を提供いたします。これらをよく読んで、翻意して、最期まで生きる方向に舵を切ってくださいませ☆





 ☆アメリカで安楽死をした若い女性
安楽死を希望していたアメリカ人の女性


安楽死について

 ☆オランダにおける安楽死の変化のグラフ
オランダにおける安楽死の件数の変化



 日本国内で安楽死をする方法は、政府主導の方法としては存在しない。なので、一個人で、安楽死可能な薬品を購入するとか、出来るだけ死ぬ痛みを感じずに済む自殺方法で死ぬしかないのが実情だ。

 直ぐに意識を喪失し、そのまま眠って死ぬことが出来る。しかも安全で、周囲の人々を巻き込まずに済む。死体も綺麗な状態で死ねる。それが、安楽死自殺と言う。

 安楽死自殺の一つの方法が、ヘリウムガス自殺方法。この自殺方法は、海外では、けっこう有名な安楽死の一つの方法として認識されている。


安楽死の幇助が合法的な国の、安楽死が可能になる場合の条件

 ☆ベルギーで認められている子供の安楽死
ベルギーで認められる子供の安楽死の条件について



 海外では、安楽死が可能な国も存在する。但し、末期癌で絶対に助かる見込みがない等の条件がある。寝たきり状態の末期癌患者が安楽死した事例もある。


一般的な医師による安楽死自殺方法

 ☆安楽死で死んだ老婆に寄り添う老婆。(_´Д`) アイーン
安楽死した婆さんに寄り添う老婆



 吐き気を抑える薬を服用した後、約一時間後に、致死量の粉末状のペントバルビタール一杯を水又は果実飲料に溶かしたものを飲む。

 ペントバルビタールの過剰摂取は中枢神経系の活動を弱め、摂取者は5分以内に眠りに就く。次第に呼吸がより浅くなり、昏睡状態へと移行し、30分以内に呼吸が停止し死に至る。


自殺幇助が合法的な国は?

 ☆[安楽死とは何か?]の定義
安楽死とは何か?を示した図



 スイス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、アメリカ(オレゴン州、ワシントン州、モンタナ州、バーモント州)で安楽死は合法である。

 世界で一番早く安楽死を合法化したのがスイスであり、そのスイス国内で安楽死を請け負う有名な団体が[ディグニタス]と[エグジット]。この内、[ディグニタス]は、外国人でも理由可能であり、[ディグニタス]を利用申請する人のおよそ9割は外国人。[エグジット]より[ディグニタス]の利用者は二倍。

 安楽死に必要な経費は、渡航費用等も含めて、約70万円程度かかるとのこと。勿論、現地の医師の診断もある。

 安楽死目的でスイスを訪れた旅行者が2008~2012年の5年間で611人に上る。

 安楽死が目的でスイスを訪れた外国人が、2009~2012年の四年間で、倍増した。

 安楽死を希望した者の平均年齢は、69歳だった。半数近くがドイツ、20%が英国からで、上位10カ国にはフランスとイタリアからの渡航が含まれた。

 安楽死自殺希望者の約半数は、麻痺、運動ニューロン疾患、パーキンソン病、多発性硬化症等、神経性の疾病が安楽死の要因となった。


安楽死の方法には三種類ある

 ☆尊厳死と安楽死の違いの説明
安楽死と尊厳死の違い



●積極的安楽死
 本人の意思により、その要求に応じて自殺の幇助を行うこと。本人が不治の病であるとか、精神的な疾患により、どうしても生き続けるのを拒否した場合、安楽死を支援している団体が、その死の手助けをすること。これは、あくまでも自殺ではなく、医師の手にかかり、死を迎えることとなる。

●積極的安楽死
 本人の意思、もしくは、本人が意識出来ない状態下で、本人の親、配偶者、子供が治療を継続しないか、延命しないということで、死に至らしめること。この場合は、別の呼び方として、自然死とも言う。これは、かなりの安楽死の例がある。

●尊厳死
 尊厳死は、延命措置をしないで自然死を選ぶこと。人間の尊厳を保って自然に死にたいということで、安楽死とは違う趣旨の定義がなされている。日本では、この尊厳死が行われていることは事例としてかなりある。そして、また本人もそのことを事前に家族等に相談しているケースが多々ある。


各国の安楽死の事情

 ☆ヨーロッパの安楽死が合法化されている国の色分けの図
安楽死を許可している国の色別のグラフ



アメリカ
 オレゴン州、ワシントン州、バーモント州、モンタナ州、ニューメキシコ州、カリフォルニア州が安楽死を認めている。国が認めているのではなく、州法で定めている。なので、アメリカ人が安楽死を希望する場合には、安楽死を認めている州へ引っ越す必要がある。

スイス
 有名な二つの団体がある。ディグニタスとエグジットという、自殺幇助機関がある。これは第三者機関で、民間組織。共に会員制で、一定の料金が発生する。病気で末期的な症状等の場合に限り、消極的幇助を行うことが可能。又、それ以外にも、治療が困難であるとか、余命が短い人に対して、医師が安楽死を認めれば、その為の薬を調合し、自殺幇助を促すことが可能。

 スイスのこの安楽死幇助機関を頼って、スイス以外の国からも、外国人がかなりの人数、来訪している。しかし、安楽死の為の費用に限っても、相当高額になる。当然、旅費もかかる。

オランダ
 世界で一番最初に安楽死を合法化した国。しかし、その認可はかなり厳しく、当人が正常な精神状態下で、耐え難い苦痛を伴う末期的な症状のみ認められる。

カナダ
 積極的幇助は認められていない。しかし、消極的幇助は認められている。

コロンビア
 癌、エイズ等の末期的患者に対してのみ、本人の意思と家族の同意を得ることにより、自殺幇助が認められる。

ベルギー
 耐え難い肉体的・精神的苦痛の状態下でのみ安楽死は認められる。

ルクセンブルク
 末期の病気であり、二回以上の安楽死の要求をすれば、認められる。本人の意思と二人の医師の判断により、審査団体が決定する。

ドイツ
 安楽死というのは認めていないが、患者自身が治療を拒否する法律がある。なので、尊厳死としての自然死が可能。更には、患者からの文書で安楽死をする為の薬を調合する命令が出来る。なので、実質、安楽死を認めているようなもの。しかし、この解釈で安楽死を認めているとは、果たして言えるのか?


安楽死の過去の事件

 ☆安楽死した植物状態の女性を報じた新聞記事
延命装置撤去で安楽死を願う人を報じた新聞記事



ポストマ事件・・・オランダのポストマ医師が、脳溢血で半身不随の母をモルヒネで安楽死させた事件。裁判所は、苦痛を和らげさせる目的でのモルヒネ投与は容認されるとの判断で、問題は致死量を投与したこととし、被告人を執行猶予1年、刑は禁固刑一週間という判決を下した。判決の軽さから、実際には安楽死を認めているようなものと多くの人は判断した。

安楽死を望んだ女性・・・メイヤードは悪性脳腫瘍で、余命数か月という状況下で、アメリカで安楽死が認められているオレゴン州へ移住し、医師から処方された鎮痛剤を服用して安楽死した。病状が激しくなる前に安楽死することを決めたことをSNSやユーチューブでも報告し、メディアに取り上げられた。

チリの14歳の少女・・・幼少より難病に苦しむ14歳の少女が、大統領に安楽死を求める許可を嘆願。ユーチューブでもツイッターでも話題となり、物議を醸した。大統領と面会したが、認められなかった。

夫との安楽死を望んだ女性・・・カナダ在住のカウンビア夫妻は、夫が心臓病で長く生きられない為、奥さんも一緒に安楽死をしようとスイスへ向かった。しかし、安楽死を求めるスイスであっても、健康な人の安楽死を認めるわけにはいかず、却下された。しかし、妻の方が癌で先に亡くなり、夫が生き永らえた。

名古屋安楽死事件・・・患者であった父親に毒入りの牛乳を、母を介して飲ませて安楽死させた。裁判所は、本来であれば医師により行われる場合と、倫理的に当てはまる場合のみに容認するということで、この事件を殺人罪とした。しかし、この事件により、安楽死の基準が決まった。

東海大学安楽死事件・・・末期癌患者に、その家族から依頼されて治療を中止し、更に楽にさせて欲しいと塩化カリウムを注射して死に至らしめた事件。懲役2年、執行猶予2年となった。


安楽死の方法

 ☆安楽死・尊厳死の[死ぬ権利]の法制化を認めるべきかどうかのグラフ
安楽死を認めるべきかどうかの意見のグラフ



 スイスの場合には、ペントバルビタールという薬を飲む。それを飲めば、直ぐに眠りにつき、やがて呼吸が浅くなり、昏睡状態となり心臓が止まる。また、医師に処方させる薬として、鎮痛剤を致死量分、医師により処方させるのが一般的。基本的に延命治療をしないように、自然死を望む。


ヘリウムガス自殺の安楽死と薬物自殺の安楽死以外の安楽死方法

 ☆ヘリウムガス自殺に使用するヘリウムガス缶とビニール袋
ヘリウムガスの自殺道具のセット(ビニール袋とガス缶)



飛び降り自殺とかなら、失敗しなければ、一瞬で死ねるであろう。


安楽死自殺に用いられる薬品

 ☆患者を安楽死させようとしている医師のイラスト
安楽死をさせようとしている医師のイラスト



 安楽死に使用される薬剤は、筋弛緩剤と筋弛緩薬が主流。しかし、日本国内でこの方法で安楽死を実行すれば、自殺幇助剤が適用されてしまうので無理。

 しかし、不正に使用されれば死ぬ。この薬品は、神経・細胞膜に作用して筋肉の働きを弱める医薬品。筋弛緩剤の一つであるパンクロニウムは、アメリカで薬物による死刑執行時に使用する薬品として知られている。日本国内では毒物のイメージで定着している。


安楽死の知識

 ☆安楽死の種類[積極的安楽死と消極的安楽死]
安楽死の種類の図

 「自殺は絶対にダメだと思う。けど、末期患者になったら、安楽死したいかも・・・」

 自殺を否定しつつ安楽死を肯定する-辻褄が合っていないようだが、世間の大多数もこうコメントするだろう。


安楽死の定義

 ☆安楽死の分類表
安楽死分類表



 現在のところ、安楽死の定義は、[甚だしい苦痛に苛まれている時に、知的・精神的判断能力のある患者自身が口頭及び文書で自発的に、医師に対し真摯で持続的な要請をし、医師がそれに応え、耐え難い苦痛の期間を短縮する目的で、患者を苦しめない方法を使って短期間に死亡させる死]となっている。

 安楽死には医師が致死薬を投与する積極的(自発的)安楽死と、生命維持装置をオフにする消極的安楽死とがある。前者は患者に対する自殺幇助ともとれる。後者は患者を自然死に導くのが目的だ。2000年11月、事実上、オランダ政府は医師による安楽死を認めた。


安楽死の弊害

 ☆助からない状態の時にどうするのか?の分かれ目の図
助からない時に安楽死するのかどうかの分岐点の図



 安楽死合法化により[死にたい患者]の意志は尊重されるかも知れぬが、別の大きな問題が生じて来る。問題とは-

 無駄な医療行為だと知りつつも、命の限り生きようと誓った患者が身内や周囲の空気を察知して[自分は死ななければならない]と強制的に思い込まされる可能性があるということだ。安楽死だけが一人歩きして[死にたくない者]も[死を選択せざるを得ない]状況に追い込まれる惧れがある。


日本の安楽死の事例

 ☆日本人が人生の最期を迎える時にはどこにいたいか?の図
人生の最期を迎えたい場所のアンケート調査結果



 日本の安楽死の事例を見てみよう。


 余命一週間の父を殺害した息子

 昭和37年、病気で余命一週間しかないと診断された52歳の実父に対して、農薬を入れた牛乳を飲ませて殺害したとして24歳になる息子に尊属殺人の判決が下された。


 名古屋高等裁判所の判決文の中で、裁判長は安楽死について6つの条件を提示した。

1、現代医学の判断により、不治の病であると診断され、死が目前に迫っている場合。

2、苦痛が酷い時。

3、苦痛の緩和が目的である場合。

4、意識は明らかで、意思の表明が出来る場合には、本人の嘱託又は承諾があること。

5、医師の手によること。他人の場合は十分な理由があること。

6、安楽死の方法が論理的に妥当であること。


 上記6項目全てが満たされていれば、代行者(医師)は単に[自殺者の手の一部]であって、殺人罪や自殺幇助の罪で問われることが無い。とは言うものの、結局のところ、殺人罪か否かを判断するのは裁判長の裁量一つである。

 この事件が安楽死に該当しない理由は安楽死の条件五、六を満たしていなかったからだ。つまり[医師の手によって行われなかった]、[牛乳に毒物を混入することが妥当ではなかった]からである。

 別のケースでは[肉体的苦痛と本人の依頼という安楽死の本質的要因を欠いている]として執行猶予のついた判決が言い渡されている。別のケースとは-


家族の要請で安楽死を試みた医師

 多発性骨髄腫に苦しむ58歳の男性患者の家族から[苦しむ姿を見ていられない]と再三、安楽死の依頼を受けていた内科助手は、実験用の動物を殺害する為に用いられている塩化カリウム製剤20ミリリットルを男性に注射し、苦しみから永遠に開放させた。


-実はこれが日本初の医療従事者の手による積極的な安楽死だった。この事件は[東海大安楽死事件]と呼ばれ、安楽死の事実は男性の死亡日から一か月後に明らかになった。

 [ファイナル・エグジット]の著者デレク・ハンフリーによれば、アメリカでは、生きるか死ぬかの瀬戸際にある重症患者に対し自殺のハウツーを伝授することは犯罪ではないが、自殺の手段となる薬、ロープ、ビニール袋等の道具を手渡した場合は犯罪と見做される可能性が高くなるとのことだ。

 又、何らかの形で患者の身体に触れると、つまり薬を飲ませたり、ビニール袋を被せたりすると、自殺幇助罪が適用されるそうだ。


尊厳死と安楽死

 ☆回復の見込みがない時に尊厳死を選ぶかどうかのグラフ
回復の見込みのない場合に、尊厳死を選ぶか、延命治療を選ぶかの図



 安楽死と尊厳死は違う。安楽死は英語でユーサナジア、尊厳死はダイイング・ウィズ・ディグニティー(尊厳ある死)と言う。

 安楽死は第三者が苦痛を訴えている患者に同情して、その患者を[死なせる行為]だ。尊厳死は不治かつ末期にある患者本人の[死に方]のことで[死なせること]とは違う。

 1976年、アメリカのニュージャージー州の最高裁判所は当時、植物状態にあった女性カレン・アン・クインランから生命維持装置を外してもよいという判決を下した。

 その後、カレンは自発呼吸を続け9年間、植物状態のまま生き続けた。

 この裁判の数か月後カリフォルニア州で、世界で初めてリビング・ウィルを法制化した[自然死法]が施行された。リビング・ウィルとは[生前に発効する遺書]のことだ。権利の内容は[成人が、末期状態になった時に生命維持装置を[使わない、もしくは取り外す]という意思表示を前もって医師に対して書面で支持できる]というものだ。

 生命維持装置に繋がれた患者を表現する言葉に、無数のチューブが身体に差し込まれることから[スパゲッティー・シンドローム]というのがある。そして、このような状態で生きていることに疑問を抱き、生前にリビング・ウィルを残し、寿命が来たら息を引き取れる状態に戻してもらい、自分らしい死を迎えたいという人々が増えてきた。

 これは一分でも長く生きていることに生命の尊さや神聖さを見出すのではなく、自分らしく生き、そして死ぬという[生命の質(クオリティー・オブ・ライフ)]こそが重要だと信じる人が増えてきたということだ。

 自然死こそ尊厳ある死だとして、カリフォルニア州に続いて、他州でも積極的にこれを倣い、同じような法律が制定された。

 州によっては尊厳死法と呼んだ。特異な例としてナンシー・クルーザンのケースを紹介する。


 娘の意志を尊重し、延命治療を中止させた家族

 彼女は自動車事故で植物状態にあった。しかし彼女はこのような状態になる前に、両親に[もし自分が植物状態になったら、栄養物や水分を含むすべての延命治療を止めて欲しい]と話していた。両親は娘の意志を尊重し、延命措置の中止を申し出たが、[本人の意志であるという明確な証拠がない]として地方裁判所も連邦最高裁判所も再三これを却下した。その後、友人三人の証言が採用され、ナンシーの意志は尊重された。


 1981年、世界医師会は[患者の権利に関するリスボン宣言]を採択した。これによれば[患者は尊厳の内に死ぬ権利を持っている]とのことだ。我が国では1992年、日本医師会の生命倫理懇談会が末期状態を[6か月以内に死が不可避な場合]と定義し、リビング・ウィルの法制化を提唱している。


リビング・ウィルとJSDD

 ☆リビング・ウィルカードという、終末期にどのように扱って欲しいかの意思表示をするカード
リビング・ウィルの意思表示を記す為のカード



 1976年、国会議員の太田典礼を中心に医学界、法律家、学者、政治家らの有志によって構成された日本尊厳死協会(JSDD)。運営の最大目的は、自分の傷病が今の医学では完治する見込みがなく、死期が迫った時、[死のあり方を選ぶ権利]が患者自身にあることを社会に広く知らしめることだ。

 JSDDの提唱する尊厳ある死に方とは[苦痛を最大限に和らげ、なるべく自然に近い形で衰弱死(自然死)する方向へ患者を導く]ことであり、間違っても協会が[俺の尊厳ある死に方はガソリンを被って火だるまになることだ。意志を尊重しろ!]という患者の後押しをすることはない。

 現在、日本尊厳死協会(JSDD)では、不治の病に罹り、死期が迫った時に[尊厳ある死の宣言](リビング・ウィル)を医師に示し、人間らしく安らかに自然な死を遂げる権利を確立する運動を推進している。

 リビング・ウィルは、いわば自発的な意志で書かれた[生前発効の遺言]だ。その主たる内容は次の三つになる。

1、末期状態になった時の無意味な延命措置を一切拒否する。

2、医療行為の最大目的をペインコントロール(苦痛を最大限に和らげる治療)のみに限定する。

3、植物状態になった時は、生命維持装置を取り外して欲しい。


 このような重大な事柄を綴る文章等は書けない、とご心配される方もいるだろう。現在、この書式はJSDDで発行されており、誰でも入手可能だ。入会希望者には、この書面に署名、押印し、それをJSDDが登録保管している。登録手続きが完了すれば、会員証と証明済みのリビング・ウィルのコピーが本人に手渡しされる仕組みになっている。

 カリフォルニア州は[医療行為に関する持続的委任権法]なるものを制定し、本人のリビング・ウィルが無駄にならぬよう、末期状態になったら自分の代わりに医師に延命処置拒否の意志を伝え、それを見届けてくれる人を前もって選任できるようにしている。

 リビング・ウィルは、なにも書面でなくてはならないと言う制約はない。ビデオカメラが普及している昨今、これを積極的に活用したい。しかし植物状態にあって意志を伝えることが出来ない本人に代わって、家族が延命治療を拒否するという行為は、まだまだ許されそうにもない。これは後述する[慈悲殺]になり、保険金目当ての犯罪に繋がる可能性が否定できないからだ。


自然死の全てが尊厳死ではない

 ☆海外の、安楽死を待ち望む重病の白人の男
安楽死で死ぬことを望む白人の男



 自然死の全てが尊厳死ではない(ある医療従事者のHPより)-医師にモルヒネ投与によるペインコントロール以外の治療はしないで欲しいと頼んだ、ある癌患者は、結局、苦悶しながら壮絶な死を迎えた。

 ここで問題なのは患者がモルヒネ投与以外の治療を拒否したことと、医師がそれに応じたことだ。尊厳死というものは悶死であってはならない筈だ。

 WHOは癌の疼痛(とうつう)治療に対して疼痛管理基準というものを定めており、この中でモルヒネの有効性について詳細している。

 ここで重要なのは、WHOは何も疼痛管理にはモルヒネだけが有効だと限定していないということだ。つまり疼痛の種類によってはモルヒネの効果が弱いということも、十分有り得るのだ。

 こういった場合、大量のモルヒネが必要となる訳だが、実は鎮痛補助薬との併用で鎮痛効果はグンと増す。例えば、癌細胞が神経を痛めつけることで起こるような疼痛に対して、モルヒネは殆ど無効だが、このような場合は抗てんかん剤が非常に効果的なのだ。

 この他に神経ブロックを有効だとする説もあるが、専門家は体内にカテーテルを埋め込んで局所麻酔をするというこの方法は、最終手段であるべきだと述べている。

 患者の意志を尊重し、モルヒネ以外は投与しなかった。延命治療は行わなかった。だから尊厳死だ-これは間違いだ!尊厳死と自然死は別物ではないだろうか?

 このHPの作者は尊厳死とは[尊厳ある生を全うして初めて得られるもの]だとしている。悶死が尊厳死の現実ならば、我々は大いに落胆する。彼はこう続けた-

 [尊厳ある生を全うするには、理性的に自分の存在を見つめ、自己完成を目指すことが重要だと思います。しかし苦痛にのたうち回って冷静に、理性的に自己完成を目指すことなど出来ましょうか?スーパーマンならいざ知らず、普通の人間は苦しみがあると卑屈になり、自己中心的になってしまうと思うのです。

 多少の苦しみは他者への配慮を生むかもしれませんが、悶絶するような苦しみが、その人間をどう変えるかは想像に難くありません。件の患者は自然死だったかもしれません。しかし、私には到底尊厳ある死とは思えません。延命治療を行っても、[尊厳ある生・・・・尊厳ある死]は全う出来る筈だと思います]

 喜ばしいことに、現在の疼痛治療は90%の痛みに対処出来ると言われている。しかし、あなたの苦痛が疼痛治療の及ばない、残された10%のカテゴリーに当たらないという保証は無い。それに、末期患者の苦痛とは、何も肉体的なものばかりではないのだ。

 むしろ、[ただ、死ぬのを待つだけだ]といった精神的な苦痛の方が大きいのかもしれない・・・。少なくとも、このHPの作者は、肉体的苦痛の除去が精神的苦痛の除去に繋がると信じている。


慈悲殺(マーシー・キリング)


 ☆慈悲殺は許されるのか?を問う質問
慈悲殺の正義を問う質問



 安楽死の手助けをする権利は医師に限らず、誰にでも(特に家族)あると考えているならば、これは大きな誤解だ。現行法では、医師以外の人間が行う安楽死行為は、理由の如何に関わらず殺人行為になる。

 確かに、家族が身内の苦しむ姿を見て[見るに見かねて]というケースは過去にもあったし、現在でも聞く話だ。そして、これからはもっと増えるような気がする。これからは一見すると道義的に容認できるような気がするが、この手の行為が安楽死として認められることはないだろう。こうした行為は安楽死ではなく慈悲殺と呼ぶのが正しい。

 慈悲殺(マーシー・キリング)は尊厳死や安楽死と混同され誤解を生じ易い。慈悲殺の定義は以下のようになる。


 [家族や第三者が苦しみ悶えている人に同情したり、重症の新生児等に対し、憐憫の情を抱いたりして、[早く楽にしてあげよう]と殺害することで、殺人行為に当たり、諸外国でも禁じられている]


 限りなく慈悲殺に近い事例を2つ紹介する。まずは昭和56年6月、筋無力症で苦しむ息子を絞殺した母親の事例。


 母に絞殺を依頼した息子

 息子は日頃から[死にたい]と周囲に漏らしていて、事件当日の二か月前にも自殺未遂を起こしていた。そして当日は母親に[首を絞めて殺して欲しい]と懇願していた。息子を絞殺した母親は嘱託殺人で起訴されたが、懲役2年6か月、執行猶予3年の温情判決が下された。


 次は植物状態になった息子(29)に対して、前途を悲観した父親(57)が、その命を奪うという事例だ。


 植物状態の息子を刺した父

 若年性脳卒中で倒れた息子は大手術の末に一命だけは取り留めたが、完全な植物状態になってしまった。当時、息子の妻は子供を産んだばかりで、一家の大黒柱を失った後の生活苦は父親から見ても明らかだった。

 こうした前途を悲観した父親は事件の数日前から[積極的な医療行為の中止]を医師に持ちかけていた。息子をナイフで刺した彼は、自分の首にナイフを当てている場面で逮捕された。



安楽死、合法化なる(オランダ・ハーグ発)

 ☆オランダの安楽死の実情を報じた新聞記事
オランダの安楽死の現状を報じた新聞記事



 オランダ議会は2000年11月29日をもって安楽死を合法とした。国が医者による自殺幇助を認める-これは世界初の快挙となった。

 この日は合法化推進派にしてみれば、まさに記念すべき日となったが、多くのクリスチャンを含む反対派にとっては[法による人間の尊厳の冒涜]が認められたという屈辱的な日となった。

 あるクリスチャンの議員は-

 「この法律は、生と死を分かつという、神のみに許された特権を医者にも授けようとしています。この日はオランダ議会史のブラックデーです。人間の寿命は神の御意思により決められるべきものなのです。決して我々の手に委ねられてはならないのです」

 バチカンも、この知らせにこう答えた。

 「オランダ国民にとって悲しい出来事です。これは神のみならず人間の尊厳をも踏みにじるものです」

 いずれにせよ、世界中の[一刻も早い安楽死を]と願う末期患者にとっては、オランダは[天国]になったわけだが、オランダ政府は外国人に対しては、厳しい姿勢で臨み、安易な安楽死は絶対に認めないことを強調している。

 オランダ司法省のスポークスマンは-

 「外国人がこの地で安楽死を受けられる可能性はゼロに等しい。医者と患者との間には、それ相応の関係が樹立されていなければなりません。我々は厳格な姿勢でこれに臨みます」

 下院での投票結果は賛成票104、反対票40。来年行われる上院での投票結果も同じであろうと予想出来ることから、立法化はほぼ間違いない。

 実のところ、法制化を待つまでもなく、オランダという国は安楽死に関しては寛大だった。毎年数千件もの安楽死が報告され、実際の数字はこれ以上だとも言われている。

 ちなみにオランダ以外で安楽死に対して寛容な国は、スイス、コロンビア、ベルギー、オーストラリア等がある。オーストラリアは1996年、限定付きでこれを容認したが、翌年の議会で無効となった経緯がある。

 アメリカではオレゴン州が1994年、末期患者に対する安楽死を認めている。1997年に安楽死法が施行されて以来、安楽死した患者数は、公式には43名となっている。

 話をオランダに戻すと、1993年には医者による自殺幇助に関するガイドラインなるものが既に整備されていた。つまり、行われた安楽死が道理に適ったものと認められれば、医者に対するお咎めは全くない(犯罪性有と解釈されれば12年の禁固刑が科せられる)。

 新しい安楽死法が施行されれば、末期患者は[あらゆる]医療行為が選択可能になるので、無駄な苦痛に苛まれる惧れはゼロとなる。同時に医者にも一定のセキュリティーが与えられ、患者の同意さえあれば、安楽死の行為自体に犯罪性は無くなる。

 更には、これまでの安楽死の方法は、医者から貰った[致死的薬物]を患者自身が投与するというものだったが、新しい法律が施行されれば、この[致死的薬物]が医者の手により直接、患者に投与されることになる。

 賛否あって当然だが、人生の最期における身の処し方をどうするかについては、患者本人、家族、医者の三者がフランクに話し合いながら、最善の解決策を見つけ出すというのが理想ではないだろうか。

 ☆漫画[ブラックジャック]の中で稀に出て来る、安楽死推進派の医者のドクター・キリコ
安楽死させる医者で有名なブラックジャックのドクター・キリコ


 安楽死で死ぬ前に、せめて、霊的知識を読んでみてね☆